中小企業・小規模事業場のストレスチェックの実施を支援しています。ストレスチェックの実施は難しいものではありませんが、基本的なところはおさえておくことです。
ストレスチェックを活用することで、健康経営や働きやすい職場を作っていくことに役立ちます。具体的には下記の項目に関してご相談に応じています。
1 |
事業場内部で実施するのか、外部機関に委託するのかについて |
2 |
産業医の協力を得る方法について |
3 |
実施者、制度担当者、実施事務従事者等の体制づくりについて |
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ストレスチェック実施規程の策定について |
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ストレスチェック実施プログラムの活用について |
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マークシートの調査票の活用について |
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ストレスチェック実施のスケジュールについて |
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産業医の面接指導の実施について |
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面接指導後、サポートが必要な者のカウンセリングについて |
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高ストレス者に該当したが、面接指導を申出ない者の対する相談について |
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組織分析の活用について |
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職場環境改善について |
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データや関係書類の保管について |
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ストレスチェックに関する一連の様式について |
(厚生労働省のストレスチェック実施プログラムを活用すると、事業場内で実施しやすくなります。また、マークシートの調査票を活用すると、データ入力も容易にできます。)
ストレスチェックの義務化
「労働安全衛生法の一部を改正する法律」が第186回国会で成立し、平成26年6月25日に公布されました。(平成26年法律第82号)
労働者が職場から受けるストレスは高い状況で推移しており、精神障害を原因とする労災給付の支給決定の件数は年々増加している状況である。さらに、同一企業の異なる事業場において、同様の重大な労働災害が繰り返し発生する事案が生じており、企業全体で安全衛生の改善を図ることが必要となっている。
改正法は、こうした最近の社会情勢の変化や労働災害の動向に即応し、労働者の安全と健康を確保するため、労働安全衛生対策の一層の充実を図ることを目的としている。
改正のなかで創設されたストレスチェック制度は、
① 医師、保健師などによるストレスチェックの実施を事業者に義務付ける。(ただし、従業員 50 人未満の事業場については当分の間努力義務とする。)
② 事業者は、ストレスチェックの結果を通知された労働者の希望に応じて医師による面接指導を実施し、その結果、医師の意見を聴いた上で、必要な場合には、適切な就業上の措置を講じなければならないこととする等です。
〇 実施マニュアル
· 労働安全衛生法に基づくストレスチェック制度実施マニュアル(令和3年2月改訂)[PDF形式:4,459KB]
o ストレスチェック制度実施規程例 [PDF形式:197KB]
o 数値基準に基づいて「高ストレス者」を選定する方法 [PDF形式:240KB]
o 外部機関にストレスチェック及び面接指導の実施を委託する場合のチェックリスト例 [PDF形式:165KB]
・ ストレチェック制度 Q&A(令和3年2月改訂)[PDF形式:612KB]
〇 報告書様式
心理的な負担の程度を把握するための検査結果等報告書(労働基準監督署への報告様式)
〇 プログラム(実施プログラム利用に関する問い合わせ:0120-65-3167)
「厚生労働省版ストレスチェック実施プログラム」ダウンロードサイト
要注意:Ver.1.0~Ver.3.2をご利用の方は、Ver.3.3にバージョンアップしてください。
〇 厚生労働省の推奨している調査票
〇 医師による面接指導
〇 関連情報
ストレスチェック助成金(従業員数50人未満の事業場向け)に関するお問い合わせはこちら
〇 リーフレット等(社内の周知用に使えます)
従業員数50人未満の事業場は、当分の間努力義務となりますが、この「『ストレスチェック』実施促進のための助成金」は、従業員数50人未満の事業場が合同で、医師・保健師などによるストレスチェックを実施し、また、ストレスチェック後の医師による面接指導などを実施した場合に、事業主が費用の助成を受けることができる制度です。
助成金に関するお問い合わせ先、
独立行政法人 労働者健康福祉機構 香川産業保健総合支援センター
〒760-0025 香川県高松市古新町2−3 三井住友海上高松ビル 4F 087-826-3850
◆「ストレスチェックと面接指導の実施方法等に関する検討会」に関する資料が
掲載されています。(第1回~第5回)
(厚生労働省労働基準局安全衛生部労働衛生課産業保健支援室)
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-roudou.html?tid=220183
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◆「ストレスチェック制度に関わる情報管理及び不利益取扱い等に関する検討会」
に関する資料が掲載されています。(第1回~第5回)
(厚生労働省労働基準局安全衛生部労働衛生課産業保健支援室)
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-roudou.html?tid=218218
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◆「ストレスチェック項目等に関する専門検討会」に関する資料が掲載されています。
(第1回~第4回)
(厚生労働省労働基準局安全衛生部労働衛生課産業保健支援室)
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-roudou.html?tid=203931
ストレスチェックの項目
ストレスチェックの項目は、「職場のストレス簡易調査票」の57項目が推奨されている。職場で独自に作成することも可能だが、下記の三領域を含み科学的検証を得られることが必要です。
【心身のストレス反応】
・疲労感に関する、「ひどく疲れる」「へとへとだ」「だるい」
・不安感に関する、「気がはりつめている」「不安だ」「落ち着かない」
・抑うつ感に関する、「ゆううつだ」「何をするのも面倒だ」「気分が晴れない」
・身体愁訴に関する、「食欲がない」「よく眠れない」
【仕事のストレス要因】
・仕事の負担(量)に関する、「非常にたくさんの仕事をしなければならない」「時間内に仕事が処理しきれない」
・仕事のコントロール度に関する、「自分のペースで仕事ができる」「自分で仕事の順番・やり方を決めることができる」「職場の仕事の方針に自分の意見を反映できる」
【周囲のサポート】
・上司からのサポートに関する、「上司」「職場の同僚」について、①どのくらい気軽に話ができますか?②あなたが困った時、どのくらい頼りになりますか? ③個人的な問題を相談したら、どのくらい聴いてくれますか?
これらの項目をみると、ロバート・A・カラセックのジョブデマンド・コントロール・サポートモデルの要素を推察できる。カラセックは作業負担というストレス要因から健康障害への影響を研究していく過程で、作業のコントロール度(裁量の自由度)・周囲のサポート(支援)が仕事の負担を軽減し健康障害を緩和するという研究結果を導き出した。
ストレスチェックがこれらの項目を含めて検討されているということは、仕事のコントロール度や周囲のサポートが重要であるという認識をしていると思われる。
改正条文(平成26年法律第82号)(心理的な負担の程度を把握するための検査等)
第六十六条の十事業者は、労働者に対し、厚生労働省令で定めるところにより、医師、保健師その他の厚生労働省令で定める者(以下この条において「医師等」という。)による心理的な負担の程度を把握するための検査を行わなければならない。
2 事業者は、前項の規定により行う検査を受けた労働者に対し、厚生労働省令で定めるところにより、当該検査を行った医師等から当該検査の結果が通知されるようにしなければならない。この場合において、当該医師等は、あらかじめ当該検査を受けた労働者の同意を得ないで、当該労働者の検査の結果を事業者に提供してはならない。
3 事業者は、前項の規定による通知を受けた労働者であつて、心理的な負担の程度が労働者の健康の保持を考慮して厚生労働省令で定める要件に該当するものが医師による面接指導を受けることを希望する旨を申し出たときは、当該申出をした労働者に対し、厚生労働省令で定めるところにより、医師による面接指導を行わなければならない。この場合において、事業者は、労働者が当該申出をしたことを理由として、当該労働者に対し、不利益な取扱いをしてはならない。
4 事業者は、厚生労働省令で定めるところにより、前項の規定による面接指導の結果を記録しておかなければならない。
5 事業者は、第三項の規定による面接指導の結果に基づき、当該労働者の健康を保持するために必要な措置について、厚生労働省令で定めるところにより、医師の意見を聴かなければならない。
6 事業者は、前項の規定による医師の意見を勘案し、その必要があると認めるときは、当該労働者の実情を考慮して、就業場所の変更、作業の転換、労働時間の短縮、深夜業の回数の減少等の措置を講ずるほか、当該医師の意見の衛生委員会若しくは安全衛生委員会又は労働時間等設定改善委員会への報告その他の適切な措置を講じなければならない。
7 厚生労働大臣は、前項の規定により事業者が講ずべき措置の適切かつ有効な実施を図るため必要な指針を公表するものとする。
8 厚生労働大臣は、前項の指針を公表した場合において必要があると認めるときは、事業者又はその団体に対し、当該指針に関し必要な指導等を行うことができる。
9 国は、心理的な負担の程度が労働者の健康の保持に及ぼす影響に関する医師等に対する研修を実施するよう努めるとともに、第二項の規定により通知された検査の結果を利用する労働者に対する健康相談の実施その他の当該労働者の健康の保持増進を図ることを促進するための措置を講ずるよう努めるものとする。
心理的な負担の程度を把握するための検査等 (基発0625第4号)
1 事業者は、労働者に対し、厚生労働省令で定めるところにより、医師、保健師その他の厚生労働省令で定める者(以下「医師等」という。)による心理的な負担の程度を把握するための検査を行わなければならないものとしたこと。(第66条の10第1項関係)
2 事業者は、1による検査を受けた労働者に対し、厚生労働省令で定めるところにより、当該検査を行った医師等から当該検査の結果が通知されるようにしなければならないものとしたこと。この場合において、当該医師等は、あらかじめ当該検査を受けた労働者の同意を得ないで、当該労働者の検査の結果を事業者に提供してはならないものとしたこと。(第66条の10第2項関係)
3 事業者は、2による通知を受けた労働者であって、心理的な負担の程度が労働者の健康の保持を考慮して厚生労働省令で定める要件に該当するものが医師による面接指導を受けることを希望する旨を申し出たときは、当該申出をした労働者に対し、厚生労働省令で定めるところにより、医師による面接指導を行わなければならないものとしたこと。この場合において、事業者は、労働者が当該申出をしたことを理由として、当該労働者に対し、不利益な取扱いをしてはならないものとしたこと。(第66条の10第3項関係)
4 事業者は、厚生労働省令で定めるところにより、3の面接指導の結果を記録しておかなければならないものとしたこと。(第66条の10第4項関係)
5 事業者は、3の面接指導の結果に基づき、当該労働者の健康を保持するために必要な措置について、厚生労働省令で定めるところにより、医師の意見を聴かなければならないものとしたこと。(第66条の10第5項関係)
6 事業者は、5の医師の意見を勘案し、その必要があると認めるときは、当該労働者の実情を考慮して、就業場所の変更、作業の転換、労働時間の短縮、深夜業の回数の減少等の措置を講ずるほか、当該医師の意見の衛生委員会若しくは安全衛生委員会又は労働時間等設定改善委員会への報告その他の適切な措置を講じなければならないものとしたこと。(第66条の10第6項関係)
7 厚生労働大臣は、6により事業者が講ずべき措置の適切かつ有効な実施を図るため必要な指針を公表するものとしたこと。(第66条の10第7項関係)
8 厚生労働大臣は、7の指針を公表した場合において必要があると認めるときは、事業者又はその団体に対し、当該指針に関し必要な指導等を行うことができるものとしたこと。(第66条の10第8項関係)
9 国は、心理的な負担の程度が労働者の健康の保持に及ぼす影響に関する医師等に対する研修を実施するよう努めるとともに、2により通知された検査の結果を利用する労働者に対する健康相談の実施その他の当該労働者の健康の保持増進を図ることを促進するための措置を講ずるよう努めるものとしたこと。(第66条の10第9項関係)